ロボット・ドリームズ :台詞なきアニメーションが奏でる、友情とノスタルジーの物語

はじめに

巷で絶賛されている「ロボット・ドリームズ」を観てきました。
台詞がなく、ややクセの強い映画でしたが、個人的には楽しめたので感想をまとめます。
個人的な満足度は 70点でした。 ※ネタバレはありません。

映画のあらすじは以下の通りです。

大都会ニューヨーク。ひとりぼっちのドッグは、
孤独感に押しつぶされそうになっていた。
そんな物憂げな夜、ドッグはふと目にしたテレビCMに心を動かされる。

数日後、ドッグの元に届けられた大きな箱――それは友達のロボットだった。
セントラルパーク、エンパイアステートビル、クイーンズボロ橋……
ニューヨークの名所を巡りながら、ドッグとロボットは深い友情を育んでいく。
ふたりの世界はリズミカルに色づき、輝きを増していく。

しかし、夏の終わり。海水浴を楽しんだ帰りにロボットが錆びて動けなくなり、
ビーチも翌夏まで閉鎖されてしまう。
離れ離れになったドッグとロボットは、再会を心待ちにしながらそれぞれの時を過ごす。
やがてまた巡りくる夏。ふたりを待ち受ける結末とは――。

「ロボット・ドリームズ」公式サイト STORYから引用


良かった点

私が感じたこの映画の特徴は、以下の3点です。

  • 美麗なカトゥーン調のアニメーション
  • 1980年代の雰囲気を感じる世界観
  • 台詞がないにもかかわらず、メッセージ性の強いストーリーテリング

まず、アニメーションですが、カトゥーン調の絵が非常に可愛らしく魅力的です。予告映像を観れば、その素晴らしさが伝わると思います。

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次に世界観についてですが、セプテンバー(前述の予告映像でも使用されている)をはじめとする80年代アメリカを感じさせる音楽が素晴らしいです。また、各所にレトロな小物が配置されており、そういった小物を探すのも楽しみのひとつです。たとえば、以下のような小物が登場します。

  • 冒頭で主人公がプレイしているテレビゲームは、AtariのPONG
  • ピンク・フロイドの『狂気』(1973年発表)のジャケットポスターが飾られている
  • 凧揚げにゲイラカイトが使われている

最後にストーリーですが、シンプルでわかりやすく、かつメッセージ性も強い作品です。演出も秀逸で、台詞がないにもかかわらずここまで明快な物語に仕上げられている点に感動しました。クセの強い作品やサイレンス映画がお好きな方には、特に響くと思います。


個人的に残念だった点

個人的に残念だと感じたのは、ストーリー中盤の展開が冗長になってしまう点です。序盤はテンポがよく、台詞ではなくアニメーションで物語を展開する演出が新鮮で映画に引き込まれました。しかし、中盤になるとその演出に慣れてしまい、ストーリーのテンポが低下して退屈に感じられました。終盤は物語の締めくくりが巧妙で、再び映画に引き込まれただけに、中盤部分の退屈さが非常にもったいなく感じられました。


まとめ

ロボットが登場するSF映画でありながら、ノスタルジーを感じさせるという、一風変わった体験ができる作品です。世界観の作り込みや演出も素晴らしいので、予告映像を見て魅力を感じた方には十分楽しめると思います。ただし、ストーリーはシンプルなため、複雑なプロットを求める方には物足りなさを感じるかもしれません。